Mitsu Surfboard Design

2022年07月21日(木)

My Longboard ヒstory [Blog]

さてさて 先週の歴代に残るほどの BIG WAVEもすっかり過ぎ去り、COVIDー19で勃発した 空前のサーフィンブームによる工場もパニックも落ちついて台風一過なHAWAIIです。

ふと 昼間運転中に 自分にとってのロングボードHISTORYについて思いついた事を 書いてみます。

*ロングボードの話なので 長くなります。 興味のない方は、このまま SKIPして下さい。 

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どこから話そう? 時系列かね?

私が およそ30年前にHAWAIIに来た時は、ロングボードのロの字も知りませんでした。 

QUEENSから 歩いてすぐのコンドミニアムに 地元東京からの波乗り仲間と2人でSTUDIO暮らし家賃は、月$440だったので 一人$220でした。 キッチンもない部屋で便器の上にお皿を置いて電気コンロでなけなしの素材で料理していました。

最初は 車もなかったので歩いていけるワイキキに通うけど6’くらいのショートボードしかなくてどんなにパドルしても乗れないものは乗れない。 ピヨピヨの日本人なので間違って奥から乗ってもローカルに前乗りされて 追っかければ今度は 怒られる。 

怖いから 沖に逃げたら少し空いてて波もちょっと大き目なポイント発見!
そこは POPS(ポピュラー)と後で知る。 

でもやっぱりショートだとろくに乗れない。 そのうちに長けりゃいいだろうとどこからか ワイメアやサンセットのGUNみたいなのをGETしてPOPSに通ったけど やっぱり用途が真逆なので細身のアウトラインでは スピードも付けにくくターンも難しかった。

ロングの名人たちゴロゴロいて 自分よりも30メートルくらい奥からのウネリで滑り出して まだ崩れてもいない 壁をノーズライドで走って来て 自分が乗ろうとしてる所に当て込んんじゃったりして 波を120%楽しでました。
SUPER LONGライドした後も又 直ぐに沖に戻って来たりして もう 私の出番はない。

その後ボロボロだけど 確かRUSSでSCHAPERシェイプのグラスON トライフィンのロングをGETして 乗り始めたと思うけど
もうパドルで漕いだら 何でも乗れてしまう事にビックリ。
漕げば乗れるので もう乗り過ぎてクタクタになるけど イマイチどうやしえrがったらいいのかが分からず苦戦。

背が小さくてパワーもないので余計ボードコントロールがきついんだけど 困った挙句 体重移動の為に前後左右に歩き始めたらなんとなく そのノリが分かってきたような。

ものすごい スピードが出るので ショートでやってる事がやりたいけど やっぱり長さの限界があって振り回すような事は不可能。 軽く細くすればいいのかと思って 激薄のEPSのトライフィンもカスタムで作って見たけど 今度は、少し振り回せても グライド感がなくなって つまらなかった。

ここまでは、まだタウカンの工場で働く前なので私はSHAPERではありませんが とにかく色んなボードに乗りたくて FCSもなかった時代のトライフィンの バックフィンを手でもぎ取って 4フィンに改造したりもしてました。
すべて素手でなんの道具もないまま 適当に樹脂でQUADとかまた ONフィンにして調子悪いとまた削っての繰り返し。

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少し話は 飛びますが タウカンに潜り込んでマシーンカットとゴーストSHAPERの時代がやって来ます。 多分2000年前後。

ゴーストの仕事は KEOLA ROPOZA (ケオラ ラポーザ)のロングボードで 一日に4〜5本 8’0”〜9’6”まで同じような店置きを果てしなく仕上げるお仕事。 その頃のマシンカットは、まだまだ 角ばっていてハンドシェープの途中みたいなもんだったので 時間も体力も必要でした。

当時のケオラは、おそらくハワイのSHAPER界では最も若い注目の大型新人でした。 ライダーは、キーガン エドワード、ケコア ウエムラ、カポノ ナヒナ、カイサラスなどなど 他にも沢山いたけど 超豪華な顔ぶれでした。

当時”NEW SKOOL”とか彼は言ってたけど そのSHAPEは他と全く違うモノでした。 

80~90年代の代表するシェイパーとしては BK,GREG GRIFFIN ,BEN AIPA、ERNIE TANAKA達の ロングボードを海でよく見ましたが 基本的にどれもダウンレールで 60/40から70/30のテーパーレールで 長く鋭いエッジが主流。

でもケオラは、ほぼ真逆のアッパーレールと呼ばれてボトム側からまくり上げられていてツルツルのレールなんだけど サイドフィン付近からいきなり ハードエッジが始まる。
ロッカーは、バナナと呼ばれて特注ブランクなので テールの反りがスゴイ。 ノーズもテールも極薄で紙ッぺら状態でしなりもスゴイ。 ノーズもテールもコンケイプはほとんどなくて フラット気味。 とまぁ〜 それまでの伝統的なロングとは別物でした。

何も分からないまま ゴーストはじめて最初は、先入観からアッパーレールに違和感あったので ついついダウン気味にしてしまい ケオラに見つかると ”もっと違うと指摘されたこともありました。 でも試しに ライダー達のボードを乗ってみたら あら不思議? 今までのロングとは全然違う。 9’の長さを感じないし、ボードが曲がる。
ノーズからおよそ7’くらいまではレール形状もエッジもない事でボードが波に対して 引っかからない。
そして薄いから 接水面も多く波からのリフトも受けやすく 軽いから取り回しも楽になる。

今でも 活躍中で不動の地位を確立されたシェイパーTommy TANAKAやCARL SCHAPERも 彼よりも少し先輩でPROGRESSIVEなHAWAIIAN STYLE ロングボードをデザインしていますが 両方知っている私としては やはりケオラほど奇抜なデザインはあまり見たことないないです。 

ちなみにケオラは、マシーンカットのデザインは不得意で数字には全く適当でした。 厚さも幅もその時の感覚任せ? 基本的にパワーがあるのでオーダー用紙よりも 細く薄くなってきますけど それでも乗ってるライダー達は、99%気に入ってる様子でした。

当時の 私はと言うと何でも測っていたので よく怒られましたが 最近になってその感覚の大切さが数字よりも大切なのが 分かってきたような気がします。

下の写真は、もうとっくに廃盤だけど 最初で最後のケオラのSURFTECH K-STAR 星が好きだったのと ライダーの99%の名前がKから始まるからだと思います。
サーフテックは、製造過程上で元となる原型SHAPEから1/4”~3/8”以上 完成品は厚くなることから このボードのシェイプが終わった時 センターで2と3/8”くらいでしたから もう限界ギリギリだったのを覚えてます。 それでいて センターはBOXではなく FCSのトライフィン。 当時これほど薄いロングボードは、他になかったので コンテストサーファーからの需要は高かったです。

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とまぁ 自分がハワイ見て来たものを書き綴ってみました。
私は、小さい頃から本を読まなくてと言うか読めない人間なので 他に存在する歴史的な重要人物や知識は あまりありません。

知ってる限りでは CA系のクラッシックな重くてエッジのないシングルフィンでのおっ立ちスタイルでトコトコ歩くノーズライダーは、今またジョエルさんのお陰で再ブーム到来ですけど それまでは HAWAIIAN STYLE LONGBOARDがハワイではスタンダードでした。 細く薄くトライフィンで 波の上ではもう サーカス状態。 ジッとしてる時間なんかないくらい 常に DO SOMETHINGな精神。

ケオラは、マカハ出身だったので RUSS-Kと一緒に波乗りして育った環境。 スイッチスタンスでノーズ当て込み、360°ヘリコプターなどなどもう何をしてるのか分からないけど沖から岸まで 1’〜10’の波を楽しそうにメイクしてくる。 その中には、JPSAで無敵だった ウエムラ ミクちゃんも混じってマカハ出身。 トライフィンしか乗らないけど ノーズも当て込みも 小波もデカ波もNO PROBLEM。

ボードは長いけど 自由自在にレールを抜いてホレた所でも引っかからないのが ソフトレールならでは。 そしてボトムでしっかりホールドしてより波の際どい所に板を導くトライフィンとそのテールエッジ。 
クラッシックなボードは乗り手が板の言う事を聞かされるのに対して HAWAIIAN デザインは、乗り手の言う事をボードが聞くと言ってもいいんじゃないかな。

ここで どっちがいいかは、自分で決めるしかないけど 決める必要もないと思う。 そばはそばでも 蕎麦と中華そばもしくは うどんとスパゲティー? 気分に任せて好きなのを楽しめばいい時代。

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ここからは もっとSHAPEの話

ただ長年ロングボードを作っていて一つだけ気になるのが 乗り手と板の関係です。

私にとって ボードモデルやデザイン云々を語る前にもっと大切な事が 浮力と重さ。

と言うのも私自身の身長164CM 体重50KGなんですけどこの手の体格用のロングボードは、中々手に入らない。

ロングボード=小波用、初心者用=分厚くて 幅広みたいな公式が昔からあるとしか思えない。 更には 世界的に見てもほとんどのロングのPROサーファーは、身体がデカいという事実。 誰々PRO MODELって言うと身長180CMで体重90KGとかの彼らが乗ってるボードで更にそれが EPSだったりしたらもう 小柄な私達にとっては ただの船です。

ハワイと日本を市場とするMITSU DESIGNですが アジア人が多いので 私くらいの体格のロングボーダーが沢山います。
特に小柄な女性は お店に行っても中々自分に合ったロングがなくて 大柄な店員さん達は こっちの気持ちも知らずにデッカイボード勧めて来たりします。

”ONLY A SMALL SURFER KNOWS THE FEELING”

じゃないですけど 小さな体で長いボードを思うように動かすには 正しいボードが必要です。

薄かったら パドルが遅い? と思うかもしれませんが 波はパドルのスピードだけで乗るのではなく 波に板が持ち上げられて滑りだします。 ボードが薄ければ ボトムの接水面が増えて持ち上げられるだけでなく 滑り出してからの斜面でも必要になってくるロッカーが強くても薄ければ程よくフィットして板が 水に入りながら波に乗り始めます。

その時 重さも大切な要因で 走り出したボードはさらに浮こうとするのである程度重さがないと小柄なサーファーは抑えきれずに コントーロールを失ってしまいます。

完全なる初心者だったら ソフトボードで波と戯れるのは上達への第一歩だと思いますが その後本当の波に乗りたいなら なるべく早い段階で真面目なボード乗らないと 重力を味方に出来ない頭打ちなSURFER一直線でしょう。

料理で言えば切れない包丁で無理やり押切りするのではなく 重さと鋭さで包丁がスライスしながら思ったラインでしっとり入って行く感覚です。

GENKIとネルソンと言う対照的な2人をライダーに長年サポートしていますが 特にGENKIは パワーはあるものの 身長も体重も他のロングボーダーに比べて小さいので 変える事の出来ない長さ9FEETのボードをどうやって チューンするかが課題でした。  私は 彼よりさらに軽いのでその点は よく分かってます。

と言う訳で 言いたいことは大体言ったので この辺で終わります。

ALOOOOOHA





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